海外でペットと暮らすライフスタイルとは、一体どのようなものでしょうか?
オランダ在住で動物(特に猫!)が大好きな筆者が、「オランダのペット事情・ライフスタイル」をご紹介します!
はじめはそんなひどい状態でしたが、それでも何日か世話をするうちにルーシェは甘えて頭をすりつけてくるようになりました。
その後、コッキィ宅の新入り猫として暮らしはじめると毛艶もよくなり、新緑の茂る頃には芝生で寝そべったり木に登ったりするのを見かけるようにもなりました。
私が愛猫たちと散歩に出た時など、ルーシェが一緒についてくることすらあったものです。
実を言うと、コッキィは精神科医です。猫好きな専門医のもとで、ルーシェの心も少しずつ癒えていったのかもしれません。
そうしていつしか3年余の年月が過ぎ、もうこのまま居つくことになるかと思われた頃のこと、ルーシェの里親さんがついに見つかりました。
コッキィの知り合いだということでした。先住猫との関係があまり良好とは言えず、折に触れ探し続けていたのだそうです。
ルーシェは昨年10月に引き取られていきました。
そして、ひと月ばかり経った頃だったでしょうか、他人(にゃん)事ながらようすが気になっていた私にコッキィは驚きのニュースを伝えてくれました。
「あのね、ルーシェは最近、膝乗り猫になったのよ!」
「ええ〜〜!ほんと?」
「ほんと!見に行ってきたの。
ヘンリエッテ(里親さんの名)の膝の上で気持ちよさそうにしてたわ。写真ファイルもあるからあげるわね」
というわけで送られてきたのがこの写真です。
また、その際、あえて聞かずにいたルーシェの生い立ちをコッキィが詳しく語ってくれたところによれば…
── ルーシェは(おそらく)10年ほど前、とある悪徳ブリーダーのもとで生まれた猫だった。
売るほどの価値はないと判断したブリーダーは、子猫だったルーシェを川へ投げ捨てた。
それを見つけた子どもたちが助けたおかげでルーシェはどうにか命びろいをしたものの、すでにかなり水を飲んでいたので呼吸器の障害は後まで残ることになった。
結局、自宅で犬猫の里親ボランティアをしていたコッキィの叔母の家に引き取られたが、一緒にいた他の動物を怖がり、ルーシェは猫タワーの上で過ごしていた。
そのうち叔母は病気になり、数年後、犬猫を残して世を去った。
その間、諸般の事情から小さなキャリーの中に入れられたままの日々を送っていたルーシェは、(コッキィによれば)鬱病になってしまった…
コッキィの家に来るまでにこんな物語があったとはと胸が塞がる思いでした。
そして、ふと、歌の一節が思い浮かびました ── 愛こそはすべて。
All you need is Love(YouTube=http://www.youtube.com/watch?v=r4p8qxGbpOk)
もし機会があったら、私も一度、ルーシェに会いに行こうと思っています。
よかったね、ルーシェ。
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